株価分析ツールを作っていると過去のデータ、売買履歴などをしっかり残したいと思うようになります。
本記事では、Pythonで「SQLite × SQLAlchemy」によるDB接続から操作について解説します。
また、汎用的な「SQLAlchemy」の書き方から、Flaskへの導入方法まで網羅的に紹介します。

SQLite / SQLAlchemyとは
SQLite(軽量DB)
SQLiteは、PostgreSQLやMySQLのような「サーバー」として動くDBではなく、「1つのファイル」として存在するデータベースエンジンです。
- ファイル1つで動く
- サーバー不要
- 個人開発に最適
SQLAlchemy
SQLAlchemyは、ORM(Object-Relational Mapper)と呼ばれるライブラリです。SQLを直接書く代わりに、Pythonの「クラス」や「メソッド」を使ってDBを操作できます。
将来的にPostgreSQLなどへ移行したくなった時も、最小限の修正で対応できる「ポータビリティ」が魅力です。
- PythonからDB操作できる
- SQLを書かずに扱える
- DB変更にも強い
実装コード(SQLAlchemy)
実際にコードを書きながら、モデル定義、DB作成、データ登録までの流れを説明します。
まずは、Flaskなどのフレームワークに依存しない、純粋なSQLAlchemyでの実装方法です。
インストール
まずは必要なライブラリをインストールします。
インストールは非常に簡単でターミナルやコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行すればOKです。
pip install sqlalchemyコード
import yfinance as yf
import pandas as pd
from sqlalchemy import Column, Integer, String, Float, DateTime, create_engine
from sqlalchemy.orm import declarative_base, sessionmaker
from datetime import datetime
# 1. モデル定義のベース作成
Base = declarative_base()
# 2. モデル(テーブル)の定義
class TradeLog(Base):
__tablename__ = 'trade_logs'
id = Column(Integer, primary_key=True)
ticker_code = Column(String(10), nullable=False)
entry_price = Column(Float)
total_score = Column(Integer)
created_dt = Column(DateTime, default=datetime.now)
# 3. DB接続とテーブル作成
engine = create_engine('sqlite:///trade_analysis_test.db', echo=True)
Base.metadata.create_all(engine)
# 4. セッションの準備
Session = sessionmaker(bind=engine)
session = Session()
try:
# トヨタ自動車の証券コード+「.T」
ticker = "7203.T"
# Tickerオブジェクトを作成
toyota = yf.Ticker(ticker)
# periodを使って過去6ヶ月分のデータを取得
df = toyota.history(period='6mo')
# 5. データ登録
new_trade = TradeLog(ticker_code=ticker, entry_price=df['Close'].iloc[-1], total_score=5)
session.add(new_trade)
session.commit() # コミット
# 6. データ取得
# 全件取得
all_trades = session.query(TradeLog).all()
for trade in all_trades:
print(f"銘柄: {trade.ticker_code}, スコア: {trade.total_score}, 価格: {trade.entry_price}")
except Exception as e:
session.rollback() # エラー時はロールバック
print(f"エラーが発生しました: {e}")
finally:
session.close() # セッション終了実行結果:
銘柄: 7203.T, スコア: 5, 価格: 3319.0コードの解説
次にコードの解説を行います。
1.ベースクラス
Base = declarative_base()モデル(テーブル)の親クラスになります。これを継承してテーブルを定義します。
2.モデル定義
class TradeLog(Base):SQLAlchemyでは、DBのテーブルをPythonのクラスとして定義します。
3.DB接続とテーブル作成
engine = create_engine('sqlite:///trade_analysis_test.db', echo=True)
Base.metadata.create_all(engine)データベースへの接続を作成し、定義したクラスを元に、まだテーブルがなければSQLを発行して作成します。
※「trade_analysis_test.db」はデータベースファイル名
4.セッション作成
Session = sessionmaker(bind=engine)
session = Session()セッションを作成します。sessionmakerでDBエンジン設定済みのクラスを作成し、そこからインスタンス化したsessionで実際のクエリを管理します。
5.データ登録
new_trade = TradeLog(ticker_code=ticker, entry_price=df['Close'].iloc[-1], total_score=5)
session.add(new_trade)
session.commit() # コミットPythonのオブジェクトを作って session.add() します。この時点ではSQLは発行されず、commit() したタイミングで INSERT 文が実行されます。
6.データ取得
all_trades = session.query(TradeLog).all()session.query(クラス名) で、そのテーブルに対するクエリを開始します。
.filter() や .order_by() を繋げることで、SQLの WHERE や ORDER BY を組み立てることができます。
実装コード(Flask-SQLAlchemy)
次にFlaskでのWebアプリの構造に合わせた、Flask-SQLAlchemyを使った標準的な実装方法を紹介します。





インストール
まずは必要なライブラリをインストールします。
インストールは非常に簡単でターミナルやコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行すればOKです。
pip install Flask Flask-SQLAlchemyコード
import yfinance as yf
import pandas as pd
from flask import Flask, render_template
from flask_sqlalchemy import SQLAlchemy
from datetime import datetime
app = Flask(__name__)
# 1. DB接続設定(Flaskのconfigに持たせる)
app.config['SQLALCHEMY_DATABASE_URI'] = 'sqlite:///trade_flask_test.db'
app.config['SQLALCHEMY_TRACK_MODIFICATIONS'] = False
# 2. SQLAlchemyインスタンスの生成
db = SQLAlchemy(app)
# 3. モデル(テーブル)の定義
class TradeLog(db.Model):
__tablename__ = 'trade_logs'
id = db.Column(db.Integer, primary_key=True)
ticker_code = db.Column(db.String(10), nullable=False)
entry_price = db.Column(db.Float)
total_score = db.Column(db.Integer)
created_dt = db.Column(db.DateTime, default=datetime.now)
# 4. テーブルの作成(初回のみ)
with app.app_context():
db.create_all()
# 5. データ登録
def add_trade():
# トヨタ自動車の証券コード+「.T」
ticker = "7203.T"
# Tickerオブジェクトを作成
toyota = yf.Ticker(ticker)
# periodを使って過去6ヶ月分のデータを取得
df = toyota.history(period='6mo')
new_trade = TradeLog(ticker_code=ticker, entry_price=df['Close'].iloc[-1], total_score=6)
db.session.add(new_trade)
db.session.commit()
@app.route('/')
def index():
add_trade() # データ登録
all_trades = TradeLog.query.all() # 6. データ取得
return render_template('index.html', name='Flask', all_trades=all_trades)
if __name__ == "__main__":
app.run(debug=True)<!DOCTYPE html>
<html>
<head><title>Flask Sample</title></head>
<body>
<h1>Hello {{ name }}!</h1>
<ul>
{% for trades in all_trades %}
<li>銘柄:{{ trades.ticker_code }} / スコア:{{ trades.total_score }} / 価格:{{ trades.entry_price }}</li>
{% endfor %}
</ul>
</body>
</html>実行結果:
ブラウザを開いて「http://127.0.0.1:5000」を実行します。


コードの解説
1.DB接続設定
app.config['SQLALCHEMY_DATABASE_URI'] = 'sqlite:///trade_flask_test.db'
app.config['SQLALCHEMY_TRACK_MODIFICATIONS'] = FalseSQLAlchemyでは create_engine を使いましたが、Flaskでは app.config に接続文字列を渡します。これにより、Flaskアプリ全体で一つのDB接続を共有できるようになります。
「app.config[‘SQLALCHEMY_TRACK_MODIFICATIONS’] = False」を設定していないと警告が出るので今回は設定しました。
2.初期化
db = SQLAlchemy(app)SQLAlchemyのインスタンスを生成します。SQLAlchemyとFlaskを結合しsession管理もこれで自動化します。
3.モデル定義
class TradeLog(db.Model):SQLAlchemyとほぼ同じでDBのテーブルをPythonのクラスとして定義します。
違いは、Base を自分で作る必要はなく、db.Model を継承するだけでOKです。
Column や Integer も、すべて db. から呼び出せるようになっているため、インポート文がスッキリします。
4.テーブルの作成
with app.app_context():
db.create_all()with app.app_context(): という一文が重要です。Flaskは「今どのアプリが動いているか」という情報(コンテキスト)を大事にするため、このブロックの中で実行する必要があります。
6.データ登録
def add_trade():
・・・
new_trade = TradeLog(ticker_code=ticker, entry_price=df['Close'].iloc[-1], total_score=6)
db.session.add(new_trade)
db.session.commit()SQLAlchemyでは session オブジェクトを自分で作る(Session = sessionmaker…)必要がありましたが、Flask-SQLAlchemyでは db.session が最初から用意されています。
セッションの作成・破棄もFlaskがリクエストのタイミングに合わせて自動で行ってくれます。
6.データ取得
all_trades = TradeLog.query.all()db.session.query(TradeLog) と書く代わりに、TradeLog.query というショートカットが使えます。
データを確認するツール
DBの中身を直接覗くことは、デバッグ作業において非常に重要です。DBの中身を確認できるツールをご紹介します。
- SQLite Viewer (VS Code拡張): エディタ内で即確認。
- DB Browser for SQLite: 定番の軽量ツール。
- DBeaver: 将来のPostgres移行も見据えたプロ向けツール。



【SQLite Viewer (VS Code拡張)】の表示イメージ


まとめ
DB設計は、システム開発における「土台」です。
今回は汎用的なSQLAlchemyを中心に解説しましたが、この基礎を理解していればFlaskでも迷うことはありません。
今回のポイントは次の通りです。
- SQLiteで手軽にDB構築できる。
- SQLAlchemyで柔軟に操作できる。
- GUIツールで可視化すると理解が深まる。
- Flask-SQLAlchemyでWebアプリにも組み込める。
【投資に関する免責事項】
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